令和元(2019)年11月7日(木)に第六回目となるライフデザインセミナーを法政大学「田中ゼミ」(担当教授:田中研之輔 先生)の授業内で実施しました。
今回のセミナーに参加されたのは、キャリアデザインについて学んでいる学生の皆さんと一般参加の方(約25名)で、キャリアとライフデザインの関係を考えるという位置付けで実施されました。セミナーでは、ゲスト2名にご登壇いただき、仕事や結婚、子育てなど、様々な経験を聞きながら、多様な生き方の選択肢を知り、参加者自らがライフプランについて考える機会としていただきました。
Aさん(女性)
大学卒業後、大手通信会社に入社。採用や人材開発に携わり、その間に2度の出産・育児を経験。現在は、キャリア開発に携わる。プライベートでは、プロボノ活動としてキャリアカウンセリングなどの働き方支援も行なっている。
Bさん(女性)
大学卒業後、金融機関の営業として入社。その後転職し、現在はベンチャー企業の取締役を務める。
パネルディスカッションでは、2名のゲストの方に仕事・結婚・子育てなどについてお話を伺いました。
Bさんは、「大学時代にご自身のライフプランについて考えていましたか」というファシリテーターからの質問に対し、「漠然と考えていました。学生時代は、女性の主な仕事は子育てで、結婚して子供を産んだら仕事を辞め、家庭に入るものだと思っていました」と話します。
「しかし、実際に働き始めると、多くの人と関わることにより視野が広がり、『子育て』についても『仕事』についても、学生時代とは考えが大きく変わりました。
まず、『子育て』はたくさんある人生のイベントの一つであり、自分の人生はそれだけではない、それ以外のことにも挑戦し、自分らしく生きることが大切だと気づきました。
また、『仕事』についても、以前は『多くの時間を拘束される大変なもの』と否定的に捉え、結婚・出産するまでのつなぎと考えていましたが、実際に働き出すと、頑張った分だけ成果が出ることや社会に貢献できることにやりがいを感じ、『楽しいもの』へと認識が変化しました」と教えてくださいました。
Aさんは、結婚前は、「結婚は自分の行動が制限されるもの」という否定的な印象を持っていたそうです。そのため、学生時代は、30代までは人生の中心に仕事をおき、その後良い出会いがあれば結婚したいと考えていました。しかし実際には、今のパートナーと出会い、20代のうちに結婚を決断されました。交際していると、一緒にいることでお互いを高め合えると感じるようになり、「お互いが成長し合えるのなら、一緒に家庭を作っていくプロセスも楽しいだろう」と思ったからだそうです。
Bさんは、自らパートナーに結婚を申し出て、出会って3か月で婚約されたそうです。「結婚を慎重に決める人が多い中、結婚後、後悔したことはなかったか」という質問に、「後悔したことはない」と即答。「人生の大事な選択は、自分で決めることにしています。自分で決めたことであれば、後悔することは少ないと思うからです。もし、何か後悔することがあるとしたら、それは自分以外の基準で判断した時かもしれません」と話します。仕事もプライベートも自分の決断を信じて、後悔しないよう行動しているそうです。
Aさんは、出産するまでは、どちらかというと子供が苦手だったそうです。しかし、子供が生まれてからは、「子供はこんなことで喜ぶんだ」といった日々の発見が学びになり、子育てが楽しいと感じているといいます。また、夫と子供の成長を共有し、お互いの視点の違いを知るのも面白いそうです。「夫婦二人だけで向き合っている時には見えなかったことも、子供を通じて、夫の新しい面に気付いたり、改めて尊敬したりすることもあります」とパートナーとの子育てを前向きに捉えているそうです。
Bさんは、2年後に出産したいと考えています。「仕事をしながら子育てすることに『大変』というイメージを持つ若者が多いと思うが、不安などはないか」という質問に対して、「就職活動や仕事での困難など、想像できないことでも今まで乗り越えることができました。子育てについても同様で、自分の周りの人も、子育てと仕事を両立している人が多いのであまり不安はありません」と話します。
また、社内の制度も活用・改善していきたいとのことです。Bさんは、ベンチャー企業で取締役を務めていますが、ベンチャー企業は制度が完全に整っていないからこそ「自分に合った形を作っていける」と前向きに考えているそうです。
参加した学生からは「結婚や子育ては大事なイベントではあるけれど、人生はそれだけではない、結婚・子育てをしていても自分の好きなことをし、自分の人生を楽しむことができるんだと思いました。また、結婚で自由が奪われるわけではないと感じ、結婚に対する印象が変わりました」という感想が出ていました。