令和3(2021)年6月17日(木)に今年度第一回目となるライフデザインセミナーを東京都立大学「キャリア形成」
(担当教授:林祐司 先生)の授業内にオンラインで実施しました。
今回のセミナーに参加されたのは、学生生活や大学卒業後になされるキャリア形成について学んでいる学生(大学1~4年生約30名)です。
セミナーでは、リクルート ブライダル総研所長の落合歩氏を講師として、「仕事」「結婚」「子育て」を中心に、自分の将来像を描くために必要な知識や情報についてお話しがありました。自分はどんな人生を歩んでいきたいのか、具体的にイメージするためには、まずは、多様な選択肢を知ることがその一歩になります。当日参加いただいた学生には、実際に「人生ワゴン」というシミュレーションツールを活用いただき、自分自身の人生について具体的にイメージを描きながら、ライフデザインを考える機会としていただきました。
セミナー冒頭に講師より「人生には大きく2種類の選択があります。一つは、食事を何にするか、などの日常的に行う選択でその頻度も多いが、人生に大きな影響を与えないもの。もう一つは、人生に数回しかないが、一度の選択で人生に大きく作用するもの。それがライフイベントです。ライフデザインの目的は、ライフイベントの選択の場面で、なんとなくではなく、自分で意志をもって選択するヒントをみつけることにあります。そのために今後の人生を長期的視点で考える時間を持ってみてください」と、ライフデザインの目的について話がありました。
また、「価値観が多様化している現代において、自分はどのような生き方をしていくのか、という『納得解』を持つことが重要になる」と、主体的・自律的な選択を行うことの重要性について説明がありました。
その後、実際に「人生ワゴン」というシミュレーションツールを活用し、15分間の個人ワークを実施しました。
といった3つのポイントを押さえつつ、まずは現時点でのライフデザインを学生一人ひとりに考えていただきました。
個人ワークの後、講師より、主要なライフイベントについて統計データを基に解説がありました。
まずは、就業の意識として自己実現の度合いが高まっていることに触れた上で、「起業」「兼業・副業」「テレワーク」「フレックスタイム制」「再雇用(カムバック)制度」など働き方の多様化についての説明と、「TOKYOはたらくネット」や「TOKYO STARTUP GATEWAY」など東京都の施策の紹介が行われました。
次に、結婚や子育てについて、東京都の「平均初婚年齢」「50歳時点の未婚の割合」「女性の第一子の平均出産年齢」などのデータをはじめ、家族の在り方や育児に関する考え方の変化など、時代とともに変化してきた人々の意識について説明がありました。
また、都内企業・法人等を応援する「働くパパママ育休制度取得応援事業」や、男性の家事・育児をみんなで応援する「パパズ・スタイル」など、仕事と育児の両立を支援する施策の紹介がありました。
その後、オンライン上で4-5名のグループごとに、個人ワークの内容についてシェアを行いました。自分のライフデザインプランを1分程度で各自共有した上で、グループごとに共通点や相違点を話し合いました。学生からは「結婚して子供ができても共働きで考えている」「自分も3人兄弟なので、子供は3人ほしいかな」「副業としてやりたいことある?」「子供が成人したら夫と世界中を旅してみたい」など様々な意見が出され、積極的な意見交換が行われました。
最後は、講師の「ライフデザインは変わっていくもの、変えていいもの。大切なのは、常に先の未来を考え、10年後、20年後、50年後に自分がどうなっていたいかを考えて逆算していくこと。そのために、様々な情報をインプットしながら、自分自身の人生をデザインしていってほしい」という言葉で締めくくられました。
講義後のアンケート回答には、「自分の将来設計をイメージすることができ、ずっと持っていた将来に対するもやもやを無くすことができました」「シェアタイムで他者の意見を聞いて、自分と違うところ、同じところ、その理由などを聞いて、自分のプランがより明確になったような気がした」「(自分のライフデザインを考えた際に)結婚から子供を産むまでの時間が想像以上に限られていると感じた」「実際に紙に書いてみると自分にはこんな希望や夢があったのかと驚いてしまいました」といった感想が寄せられました。