ライフデザインセミナー Vol.2 法政大学

令和2(2020)年7月6日(月)に今年度第三回目となるライフデザインセミナーを法政大学 組織論入門(担当教授:橋本諭 先生)の授業内にオンラインで実施しました。

今回のセミナーに参加されたのは、経営学部の学生(約180名)です。
セミナーには、実際に社会人として活躍されている2名の方をゲストとしてお迎えし、仕事や結婚、子育てなどの様々な経験をお聞きしました。 多くの学生にとっては、就職より先のライフイベントは「まだ先の未来」であり、日常生活の中で実感を持ってプランニングすることはなかなかできません しかしながら、本セミナーで、家庭と仕事を両立し、自分らしく生き生きと活躍されているお二人のお話を実際に聞くことで、多様な生き方の選択肢を知り、先の未来を含めたライフプランについて考える機会としていただくことが出来ました。

Aさん(男性)
大学卒業後、IT企業に入社、その後、人材サービス企業への転職を経て、現在は出版流通企業に勤務。また、複業で一般社団法人の代表としても活動している。

Bさん(女性)
大学卒業後、語学の専門学校へ入学。卒業後は、新卒枠で事務職としてメーカーに入社し現在に至る。勤務3年目に総合職へ転換。第一子出産後には時短勤務を5年経験。現在、フルタイム勤務に戻して6年ほど経つ。

パネルディスカッションでは、それぞれのゲストから仕事・結婚・子育てについてのお話を伺いました。

■新しい価値観に触れることが大切

「学生時代どんな活動をしてきましたか。その経験が今に活きていることはありますか」という質問に対し、Bさんは「大学生時代はアルバイトや恋愛に時間をかけてきました。そのため、就職活動の時にエントリーシートが書けず、何かスキルを身につけるために専門学校に入り直して英語を頑張って勉強しました。」と話しました。
また、Aさんは学生時代に明確な目標がなく、どんなことに時間を使うべきかわからなかったそうで、自分の将来ともっと早く向き合っておけばよかったと話していました。「そのためには、たくさんの人の価値観に触れることが大切。今回のセミナーのような場で新しい選択肢に触れることは社会人になってからも役に立つと思う。」と教えてくださいました。



■チャンスは自分で掴みにいく

「結婚後何か生活に変化がありましたか。」という質問に対しAさんは「結婚してからも生活に変化はなかった。しかし子供が生まれてからは子供が生活の中心になったため、夫婦でお互いに家事と仕事のバランスを意識し、家族でチームとして支え合うようにしている。」と話しました。

Bさんの職場では、Bさんが初めてのワーキングマザーだったため、最初は上司もBさん自身も、Bさんの仕事分担をどのくらいに設定するのが適当か、わからない状態だったそうです。また、5年ほど時短勤務で働いていましたが、その間は責任のある仕事を任せてもらえず、業務はルーティーンワークがほとんど。Bさんはモチベーションが下がってしまい、一時は、退職することも考えましたが、家族で話し合いフルタイム勤務を再開することで、再び仕事への熱意を取り戻したそうです。
「1人目の子育ての時は、夫が単身赴任中のため自分1人で子育てしていたこともあり、仕事と家庭のペースがつかめなかった。仕事では、十分に自分をアピールしていなかったし、成果も出していなかったので、活躍のチャンスを逃してしまっていた。一方、2人目の時は夫と一緒に住むようになり、夫婦で家事を協力するようにした。また、仕事でも、自分から、出来ることとその意欲を周囲に伝えたことで、責任のある仕事を任せてもらえるようになった。子連れで3週間国内出張を実現したこともある。」と経験を話しました。この経験からBさんは「自分から仕事を取りに行く姿勢を持ち、上司に自分のチャレンジしたい仕事を伝えることが大切。また、自分の思いを周囲に積極的に伝えるようになってからは、チャンスを自分で取りに行けるようになり、自分らしく活躍出来るようになった。」と教えて下さいました。

今回は参加者の理解をより深めるためにセミナーの中で、ブレイクアウトルームを利用し、ゲストのお話を踏まえて、参加者同士が意見交換をする機会も設けました。



■子供も家族の構成員の1人

家庭と仕事との両立に関して、Aさんは「自分も妻も子供もそれぞれやりたいことがある。とはいえ、みんなが好き勝手にやりたいことをしていたら家族が分裂してしまうので、子供もチームの構成員として家族みんなが主体性を発揮できるチームにするために、みんなですり合わせていくのが大切。」とお話ししてくださいました。また、Bさんは、「ライフプランを考える時には、仕事のことだけではなく、家庭との両立を踏まえて、家族のことを一緒に考えると良い。」と教えてくださいました。

セミナー中の様子


■やりたいことのために、時間をマネジメントする

学生からの「育児と仕事の両立は大変ですか。」という質問に対しBさんは、「トータルするととても忙しいです。しかし、やりたいことばかりなので空き時間をうまくマネジメントして両立出来るように工夫しています。」と話しました。また、子供の宿題を見ることは、できる限り子供のペースに合わせてあげたいという思いもあり、時間のマネジメントという点では大変だが、親子のコミュニケーションのきっかけとしてポジティブに捉えていると教えてくださいました。

Aさんは、ビジネスとボランティアを融合していきたいという思いから、自ら団体を立ち上げ、やりたいことに挑戦しています。また、何歳からでも様々なことにチャレンジできるように、自分の中の目標や考え方をアップデートさせながら活動をしているようです。「複業をやりすぎると妻が怒るのですが、仕事の間に家族の時間を意識的に作るなどうまく両立する努力をして、理解をしてもらえるようにしている。」と夫婦の関係を保つための方法を教えてくださいました。

参加した学生からは「いつも周りを気にして、やりたいことを我慢する事が多く、変わりたいと思いつつも行動できず変化を待つだけだった。お話を聞いて、状況を変えるには積極的に自分から行動する事が大切だと改めて感じた。」「実際にお話を聞いて、色々な機会や考え方、価値観を知ることはとても大切だと感じた。少しの行動を自ら起こし、新たな価値観に触れていけるようになりたいと思った。」という感想が出ていました。

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