自分の魅力を知る方法FUTARI START GUIDE

婚活で試してみたい!自分と相手を知り、わかり合うための2つの方法

 「初めて会う人なのに、なぜか惹かれる」
婚活イベントやパーティーでそんな風に思ったことはありませんか。

 初対面でも魅力的に映る人は、自分の特徴を心得て、それを言葉や態度でポジティブにアピールしていることが多いもの。会話の中でも相手を理解しつつ、さり気なく自分の考えや価値観を伝えています。
 そんなコミュニケーションスキルがあったら苦労はないよ…と思うかもしれません。ですが、気になる相手に自分の魅力を伝え、自分や相手の価値観を知るための方法があります。このコラムでは、心理分析やビジネスの世界で知られる2つの手法を取り上げ、婚活に役立てる方法をご紹介します。

気になる相手との距離が近づく「自分の多面的な魅力を知る方法」

 婚活をしていると初対面の方と会う機会が多くなります。「理想の人に出会ったかも!」という場面で自分の魅力や長所を上手く表現するには、事前の準備として自分について深く知っておくことが大切です。
みなさんは、「ジョハリの窓」をご存知でしょうか。
これは、自分が知っている「自分の特徴」と、他人が知っている「自分の特徴」が一致しているかどうかを、4つのパターンで分析する方法のことです。サンフランシスコ州立大学の心理学者ジョセフ・ルフト氏とハリ・インガム氏による「対人関係における気づきのグラフモデル」という理論に登場する考え方で、そのポートフォリオ(枠組み)がまるで窓のように見えることから、二人のお名前にちなみ「ジョハリの窓」と呼ばれるようになりました。

 ジョハリの窓を活用するメリットは、「自分と他人の認識のズレを理解する自己分析」ができる点です。人にはさまざまな面があり、自分が知っている性格や気質以外にも、自分からは見えない特徴も存在しています。

 ジョハリの窓は、次の4つの枠に分かれています。

(1)開放の窓 …「自分も他人も分かっている」自分
(2)盲点の窓 …「自分は分かっていないが、他人が分かっている」自分
(3)秘密の窓 …「自分は分かっているが、他人は分かっていない」自分
(4)未知の窓 …「自分も他人も分かっていない」自分

 「開放の窓」は、自分も他人も知っているあなたを示します。たとえば、「誰に対しても優しい」と自分も思っているし、人からもそう言われることが多ければ「優しい」が自他ともに認めるあなたの特徴といえます。

 「盲点の窓」には、他人は知っているのに自分は気づいていない特徴が入ります。たとえば、自分ではおせっかいな性格と思っていても、人から「親切な人」と言われる場合は、「親切」が今まで知らなかったあなたの特徴、ということになります。

 「秘密の窓」に入るのは、自覚しているけれども、他人には見せていない自分の特徴です。
たとえば、「いつも先頭を切って話す陽気な人」と周りは思っているけれど、本当は「人見知りで恥ずかしがり屋」というケースなどです。

 最後の「未知の窓」には、あなたも周りの人もまだ見つけていないあなたが入ります。この窓にあてはまる特徴を見つけるには、他人とのより深い対話が必要になります。

 注目したいのは、「盲点の窓」と「秘密の窓」です。
 ここに入るのは、自分/相手は知っているのに、もう片方は知らない特徴です。つまり、ここに分類されるあなたの特徴は、自分と相手との認識のズレや誤解を招きやすいということです。
たとえば、気になる相手に良いところを見せようと本来とは違う自分を演じてしまった、という経験はないでしょうか。

 「せっかく素敵な人がいたのに、ノリが良いだけと思われてしまったかも」
 「趣味が合いそうだったのに、仕事の話題に終始してしまったかも」
 そんな思いをする前に、「盲点の窓」と「秘密の窓」を分析して、相手とのズレや誤解の原因を探っておくとよいでしょう。相手との違いを理解して、それぞれの個性を受け入れるきっかけにもなります。自分のことを正しく相手に伝えられれば、自分も相手も知っている自分という「開放の窓」の面積を広げることにもつながりますね。

 婚活のファーストステップは、理想の相手と出会った後に、相手と近づくきっかけをつくることです。ジョハリの窓は、相手と自分の考えの違いを確かめながら、コミュニケーションを築いていくのに役立ちます。
 自分の魅力を発見するためにも、まずは周りの人に自分の魅力や長所について訊いてみてはいかがでしょうか。意外な発見があるかもしれません。

もっと深く相手を知るために、「2人の価値観を理解し合う方法」

 気になる相手と出会い、良い関係が築けそうと感じたら、次は相手との相性が知りたくなるものです。結婚にいたるには、考え方や価値観の相性も大切です。

 そこで、価値観の相性を確認し合うのに役立つ方法を紹介します。ここでは仮に「価値観相性診断」と呼びますが、やり方は簡単です。
 まず、例えば「財産」「健康」「家族」「安定」「挑戦」など様々な価値観を紙やカードに10~15個ほど書き出します。次に、自分と相手それぞれが、大切にしたい価値観のベスト3を選んで印やチェックをつけていきます。
 お互いが選んだ価値観を見比べ、印をつけた理由・背景について聞いてみたり、違いを理解した上で、どのように乗り越えるかについて話し合ったりします。この方法は心理分析やビジネスの世界でよく使われますが、恋愛中の二人の価値観判定にも向いています。

 とはいえ、これから仲良くなろうという相手と価値観の相性を確かめ合うのはハードルが高いですね。意中の人と診断する前に、まずは家族や親しい友人と試してみるのがおすすめ。相手と付き合って仲良くなってきたら、ゲーム感覚でやってみるのが良いでしょう。

 ちなみに、価値観相性診断をやると、選んだ価値観が正反対の結果になることがあります。ここで注意したいのは、互いの価値観が異なるからといって相性が悪いわけではないということです。むしろ、お互いの大切にしたいポイントを理解し、尊重し合うために、どのような振る舞いを見せるかが重要です。価値観に違いがあったときは、「なぜその価値観が大切なの?」と興味を持って尋ねてみましょう。思い込みで優劣をつけたりせず、相手がその価値観を大切にしようとする理由に注目して理解するよう努めましょう。

 自分や交際相手を知るための2つの方法、いかがでしたか?
 何もないところから自分を知ったり、相手を理解したりするのはなかなか難しいものです。こうした手法をうまく活用することで、スムーズに対話を深めてはいかがでしょうか。

 理想のパートナーに出会えたとき、相手と良い関係を築いていけるかはあなた次第。「自分には魅力なんてない」「自分の魅力はわからない」と諦める前に、ぜひ今回ご紹介した2つの方法で、今までの自分を振り返り、自分の新しい魅力を見つけてみてください。

大塚万紀子

大塚万紀子(おおつかまきこ)/株式会社ワーク・ライフバランス 取締役・創業メンバー/一般財団法人 生涯学習開発財団 認定コーチ/一般社団法人日本MBTI協会認定MBTIユーザー

楽天(株)で勤務後、2006年(株)ワーク・ライフバランスを創業、「働き方改革」の先駆者として2,000社以上のコンサルティングを行う。高度なコーチングスキル、コミュニケーションスキルを活かし、多くの経営者から”深層心理まで理解し、寄り添いながらも背中を押してくれる良き伴走者”として厚い信頼を得る。二児の母。

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