結婚や婚活に一歩踏み出すための心の持ち方FUTARI START GUIDE

結婚、家庭と仕事のバランスを計画したい女性から絶大な支持を受けている婚活コンサルタントの松尾知枝さんに連載形式でご紹介いただく第3回のテーマは「結婚や婚活に一歩踏み出すための心の持ち方」です。婚活をポジティブに考えるヒントを松尾さんから解説いただきます。

結婚したい理由の紐解き

結婚したいのに出来ないのは何故なのかを考えるために、あなたの「結婚したい理由」を紐解くことから始めましょう。まず、紙を用意し、あなたが結婚したいと思う理由を3つ書いてみてください。正直に本音ベースで書いてみましょう。

パートナー探しが上手くいっていない人の回答の一つとして、よく見られるのは、「ずっと一緒にいたいと思える人と共に人生を歩みたい」いう前向きな気持ちからではなく、「将来の不安から逃れたい」「今の生活から少しでも良くなりたい、幸せになりたい」など結婚を「現状の自分を変えてくれるもの」として捉えている回答です。また「結婚」について考える時、結婚に「こうあるべき」という理想を強く求めている傾向もあるようです。

次に、本音ベースで書いたご自身の「結婚したい3つの理由」を出会った相手に見せることを想像してみてください。あなたは、何も変えることなくそのまま伝えることができますか。また、伝えた相手はそれを見て「そういう理由で結婚したいのですね。前向きで嬉しいです。」と思える内容となっていますか。私の講座でこのワークを行うと、何人かの方は苦笑いを浮かべて相手に見せるのをためらってしまうと答えます。

結婚をしたい理由はどんなものでも構わないではないか、と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、相手に堂々と言えない理由で婚活をしていると、言葉と本心にズレが生じているため、そこから生まれるぎこちなさや不自然さが相手にも伝わってしまっています。それが、パートナー探しが上手くいかない原因になってしまっている可能性があるのです。

結婚に対する理想を掲げること

どんな結婚をしたいか理想を持つこと自体はとてもいいことです。「こうあるべき」という理想は、自分の価値観や過去の経験の積み上げで成り立っており、あなた自身がなりたい姿でもあります。しかし、あなたの理想を一方的に結婚相手に求めて達成しようとしているとしたら、相手に過度な負担感を感じさせてしまっているかもしれません。

前述したように、将来の不安や今の生活から少しでも良くなりたいという想いから「結婚=現状の自分を変えてくれるもの」だと捉えてしまっている人が少なからずいるようです。それは結婚すれば「相手が幸せにしてくれるだろう」と、その後の自分の人生を相手に委ねてしまう思考とも捉えられます。例えば「大手企業の人なら生活も安定して両親も安心するから」「お金持ちと結婚すれば周りがうらやましがってくるから」など、見栄や世間体、損得勘定を基準に結婚を考えてはいないでしょうか。そのような考えは、言葉や態度の端々に表れてしまい、隠れた依存心や甘えを相手に感じ取られ、場合によっては、相手が離れていってしまう可能性もあります。

また、中には外見も内面もできる限り完璧に近づかないと、相手に愛されず、結婚相手としての選択肢に入らないだろうと思ってしまう方もいるでしょう。その場合、相手にも完璧を求めてしまい、自分も相手も完璧でないと結婚できないという固定観念にとらわれ、知らないうちに、自分自身と相手のハードルを高くしてしまっているかもしれません。

今の自分のレベルではまだまだ結婚できないと思い、そんな自分を克服しようと何か結婚や婚活につながることを習得したとしても、また別の足りない部分が気になってしまうというような悪循環に陥り、婚活、結婚への準備運動をずっと続けてしまってはいないでしょうか。

自分らしくいることの薦め

では、結婚や婚活はどのような心持ちで向き合うのが良いのでしょうか。私は、「結婚」がすべての悩みを解決して「幸せ」を与えてくれものだとは考えず「結婚」してから「幸せ」は二人で「つくる」ものだと意識してみることをお薦めします。そうすることで、結婚してから新たに出てくる相手に対する不満や文句も、二人で共有して「幸せ」を「つくっていく」ために必要なこととして前向きに考えることができ、より理解を深め、お互いを思いやる心が生まれてくると考えています。あなた自身の結婚に対する思考を「依存」ではなく「共有」という思考に変換してみましょう。実際、結婚している方に話を伺うと、よく言われていることですが「嬉しさは倍になり、悲しみは半分になる」と答える方がとても多いのが印象的です。

また、結婚とは、二人でゼロから未来をつくっていくこと。だから、いまお互いが完璧である必要はまったくありません。お互いが寄り添いながら、ゆっくり成長していければいいのです。そう考えると、将来の不安も少しずつなくなって、相手と二人でもっと楽しく幸せに過ごしていけるようになっていくのではないではないでしょうか。例えば、最初から完璧に家具が整えられた空間も素晴らしいですが、自分たちでお気に入りの椅子やテーブル、食器などを買い揃えて、少しずつ理想的な暮らし、生活をつくっていくことにも日々の気づきや楽しさがあります。こうした日々の気づきや楽しさなどの積み重ねが、暮らしを共有することだということがわかると、結婚するために何か完璧にならなくてはいけないという思考からも解放され、自分らしい結婚を考えていけるようになると思います。

松尾 知枝(まつお ちえ)/1980年生まれ/婚活コンサルタント
大学卒業後、客室乗務員を経て、2011年、女性向けのライフデザイン構築スクール「Precious 美女塾」を開設。著書に「3か月でベストパートナーと結婚する方法」 (かんき出版)「3 年以内に成功する男、消える男」 (フォレスト出版)など

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