人気ファッションカラーコーディネーターの谷口美佳さんから、「なりたい印象で色を選ぶ方法」をテーマに、前編では「軸色」の見つけ方について解説いただきました。後編では「軸色」を活用した、色を味方にするためのコーディネート術をご紹介いたします。
(前編:https://www.futari-story.metro.tokyo.lg.jp/futari_start/column18/)
「軸色」を知っていかがでしたか?やはり、と納得された方、逆にクローゼットに無いあまり着ない色だった方もいらっしゃるでしょう。でもご安心ください。「軸色」はあくまで頼りになる色で、7割以上使うことがベストですが、それ以下でも十分に効果を発揮します。今ある服も十分活用していただけますが、もし、これから服などを買い足す予定があるなら、出来るだけ「軸色」でまとめてみてください。シンプルでも華やかな雰囲気になるはずです。「軸色」があなたに自信を与えてくれます。
このように、まずは「軸色」だけでコーディネートするのがおすすめですが、ここからは「軸色」と違う色を組み合わせたコーディネートを紹介します。
<イエロー軸>
女性:ベージュのブラウスに黒のスキニーデニム、キャメルのバッグとパンプス。
男性:カーキのTシャツにベージュのパンツ、白スニーカー
<ブルー軸>
女性:ネイビーのトップスに白デニム、ネイビーのサンダル、グレーのバッグ。
男性:白のシャツにネイビーのデニム、暗めブラウンのサンダル。
いかがでしょう!シンプルだけど印象に残る着こなしが実現します。
イエロー軸の方にとってのブルー軸の色、ブルー軸の方にとってのイエロー軸の色を、私は「反対の軸色」と呼んでいます。この「反対の軸色」は7対3の法則でいうところの後の3割、「3割カラー」としてぜひ活用してください。あえて「反対の軸色」を「3割カラー」として使うと、こなれたおしゃれな印象になります。
なお、STEP1に慣れたら、白と黒は軸色に準じて、コーディネートに取り入れてみましょう。
<イエロー軸>
女性:ベージュのコートと靴とバッグ、「反対の軸色」のネイビーのデニム。
男性:白のTシャツ、「反対の軸色」の暗めブラウンのカーディガン、カーキのカーゴパンツ。
「軸色」だけを合わせるよりも、ちょっと目を引く着こなしになりますよ。
<ブルー軸>
女性:グレーのニットとパンツ、「反対の軸色」のカーキのバッグと靴。
男性:ネイビーのスーツに、「反対の軸色」のキャメルブラウンのバックと靴。
「反対の軸色」の効果で、一気にこなれた印象に変わります。
「反対の軸色」は似合わないから不要な色、ではありません。面積を少なくしてコーディネートすることで、「軸色」との相乗効果により、素敵に着こなせる色となります。
「きれいな色を着たいけれど周りから浮いて見えていないか心配。」「そもそも何色を選んでよいか分からない。」という方は、まずはSTEP1、STEP2から実践していきましょう。
慣れてきたら、「軸色」7割に、「なりたい印象の色」3割を取り入れて、自分らしさを表現してみましょう。今回は日本人に似合うことが多い色のトーンから“なりたい印象”になれるおすすめカラーをセレクトしました。
例えばトップス、ボトムス、靴、バッグ、このどれか1点にきれいな色を入れてみてください。苦手意識がある方はトップスではなくボトムス、靴、バッグなど、顔から離した箇所に取り入れるのがおすすめです。
<イエロー軸:女性>
白のブラウスに清潔感のある印象のソフトイエローのパンツ、キャメルのバッグとパンプス。
<ブルー軸:男性>
清潔感のある印象のブルーのニット、ネイビーのパンツ、暗めブラウンの革靴。
それでもまだ少し勇気が必要な方は、ハンカチなどの小物から取り入れるのも良いですよ。きれいな色がちらっと見えるだけでも、あなたのなりたい印象に近付くことができるはずです。
あなた自身を自然に、より素敵に見せてくれるものは“色”です。そして一番大事なのはあなたのベースカラー「軸色」を知ることです。体型が変わっても、年齢を重ねても、ずっと寄り添いあなたを生き生きとした印象にしてくれます。そこに“なりたい印象”のきれいな色を少し入れた着こなしにするだけで、恋愛や婚活の場面では自信がもらえ、いざという時、必ずあなたの背中を押してくれるはずです。ぜひ色の力を味方にしてくださいね。
谷口美佳(たにぐちみか)/ファッションカラーコーディネーター、文部省後援色彩検定1級、日本骨格分析メイクアップ協会認定アナリスト。
大学卒業後、化粧品会社に6年、ファッションブランドに3年勤務後、パーソナルカラー分析などを行うサロンを主宰。著書に『今ある服でおしゃれに見せる「軸色」の法則』(主婦の友社)など。