結婚を約束したカップルは、幸せいっぱい。とはいえ、実際に夫婦となって新生活を始めるまでには、新居探し、各種届出のほか、結婚式や新婚旅行といったイベントや手続きが数多くあります。
こうしたプロセスは、一般的な「TODOリスト」にとらわれすぎる必要はありません。二人で楽しみながら、自分たちらしく結婚をスタートさせてみましょう。
結婚を決めると、結婚式や新婚旅行といった華やかなことに気持ちが向いてしまいがちですが、二人でよく話し合っておきたいことは他にもたくさんあります。例えば、親や恩師、お世話になった人など、報告したい相手、挨拶しておきたい相手についても相談しましょう。そうした相談をする中で、これまでの人生を振り返り、お互いのことをより深く知るきっかけにもなります。その人たちの顔を思い浮かべながら、いつどうやって紹介するかといったことも話し合っておきましょう。挨拶に伺う際は、清潔感のある服装を心がけましょう。
婚姻届は事前に区市町村役場などで入手できるので、早めに準備しておくと安心です。自治体によってはオリジナル婚姻届を制作しているところもあるため、二人の思い出に利用してみるのも良いでしょう。提出するのは夫または妻の本籍地もしくは所在地となるので、いつどこに出すかも決めておきましょう。結婚前の本籍地以外の場所に提出する場合は、合わせて戸籍謄本もしくは戸籍全部事項証明書が必要になるので取り寄せます。また、婚姻届には証人の署名が必要です。互いの親や親族にするカップルが多いようですが、成年者2名であればだれでも構いません。わからないことは、提出を予定している役場に事前に確認をしてください。
勤務先や自治体で新婚世帯や子育て世帯にお祝い金を出したり、家賃補助をする例もあるので、こうした情報もしっかり収集しておきましょう。
結婚式に関しては、選択肢が幅広い分、迷いや意見の違いも生じやすくなります。式や披露宴そのものを省略したり、親族だけの簡単な食事会で済ませるといったパターンもあれば、ホテルで豪華に執り行いたいというニーズも根強くあります。
近年では、招待客を本当に親しい人だけに絞って式と披露宴を執り行うスタイルが人気です。披露宴では、出席者に負担をかけがちな余興やスピーチなどを減らして歓談時間を多く設けたり、二人の歩みを動画に編集して流す映像系の演出が増えていますが、逆に友人と一緒に企画・準備をしたり、全員参加のゲームなどを楽しむゲスト参加型の「シェアド婚」も注目を集めています。
また、お色直しはせず、その分料理や飲み物に予算を割いて、出席する人の満足を重視するカップルも増えているようです。
会場やパターンは一般的でも、内容を自分たちらしく演出しようとするカップルも増えています。たとえば「誓いの言葉」を定型ではなく自分たちで考えたり、席次も勤務先の上司を上座にするしきたりにこだわらず、一番晴れ姿を見てほしい親を新郎新婦の目の前に配置する例も見られます。
結婚後の住まいも相談すべきことのひとつ。まずは二人で住める賃貸物件を借りることが多いようですが、マイホームを購入したり、ファミリー用の社宅に引っ越したり、どちらかの実家に住むといった選択肢もあります。
特に住宅を購入する場合は、将来のお互いの仕事をどうするか、子どもを望むかどうか、子供を望んだ場合は、人数や妊娠出産後の仕事や教育など、ライフプランに関する価値観をすり合わせたうえで、慎重に検討する必要があります。住宅ローン控除やすまい給付金など、家を買う人を優遇する制度も忘れず利用しましょう。
また、家計や家事の分担も事前に話し合っておくといいでしょう。家計用の口座を作って決めた金額を振り込む方法もあれば、家賃や光熱水費、食費など項目ごとに分担を決める方法もあります。二人で暮らしていく上では、掃除や洗濯、食事など様々な家事をやる必要があります。時間がある方が担当するカップルもいれば、あらかじめ分担する家事を決めておくカップルもいます。二人にとってやりやすい方法をイメージしておきましょう。
結婚式や披露宴だけでなく、新婚旅行や新居選び、新居に置く家具や家電をそろえたりと、二人で決めて実行することはたくさんあります。これらはすべて費用がかかるものなので、予算を決めて出すべきところと絞るところを分けてメリハリをつける必要があります。
こうした場合、最初から節約ありきで話し合いを始めるカップルも多いのですが、むしろ最初は予算が許すならやりたいこと、ほしいものをすべてリストアップし、思い切り夢を広げておくのがおすすめです。
その中から二人で話し合い、優先順位をつけて、諦められるものをそぎ落としたり、低予算で代替できる方法を探しながら予算に合わせていく方が、満足いく結論につながりやすくなります。
自分たちの満足だけでなく、お互いの親に喜んでもらうことを重視するなら、親の意見もよく聞いてみるといいでしょう。最近の親世代はあれこれ口を出さず、「二人で決めなさい」と任せてしまう人も多いのですが、踏み込んで気持ちを聞いてみることで、親への感謝を示せることもあるかもしれません。
そうはいっても、結婚の形を決めるのはあくまで当事者である二人です。最も重要なのは、どんな夫婦になり、どんな家庭をつくっていきたいかを話し合い、自分たちらしい結婚の形を探していくことです。その過程で、二人の絆は深まっていきます。形式にとらわれすぎる必要はないので、結婚までの道のりを楽しみましょう。
※期間は結婚式をあげる場合の一例です。