家族会議でしっかり、
そして柔軟に家庭を「経営」するふたりTOKYO FUTARI

持田たかしさん(36歳)(仮名) 紗江さん(35歳)(仮名)
長男(3歳0ヶ月)  次男(0歳4ヶ月)

学びの場で出会った同士

出会いは、たかしさんが主催する若手社会人向けの勉強会でした。ベンチャー企業でマーケティング担当をしていること、読書が好き、という共通点がある2人は意気投合。勉強会以外のプライベートでも会うようになり、知り合って1ヵ月半で交際をスタートさせました。

たかしさんは付き合ってすぐに紗江さんとの結婚を意識したそうです。その理由は、「価値観や考え方が自分に合っている。もちろん違う所はあるが、話し合いができる関係が築けそうだと感じたこと。そして、一緒にいて居心地のよさを覚えたこと」だと語ります。

しかし当時はお互いの仕事が忙しく、無料通話アプリもなかった時代。平日は会う時間もなく、夜中の通話料がかさんでいました。それならば一緒に住めば家賃の負担も減るし一緒にいられる時間も増えると考え、交際から3か月たった頃、2人は家を探し始め、半年後には同棲をスタートさせました。交際開始当初は結婚を意識していなかったけれど、ずっと一緒にいるイメージは持っていたという紗江さんも、同棲のタイミングで結婚を意識し始めます。

期限を決めないとズルズルいってしまう性格と自認していたたかしさん。同棲を始めた1周年の記念日に、1年間の思い出が詰まったフォトアルバムを紗江さんにプレゼントをします。最後のページに書いたプロポーズのメッセージを読んだ紗江さんは、たかしさんを見つめてうなずいたそうです。

結婚後すぐの海外留学

結婚後、紗江さんは2度単身で海外生活を送っています。1度目はなんと結婚した2週間後。キャリアチェンジのタイミングで、ニューヨークに単身3ヵ月半留学しました。紗江さんは、留学経験を通じて、語学力が急激にアップすることにより、英語を使って仕事をすることを視野に入れることになります。

2度目はそれから2年後、サンフランシスコでインターンとして3ヵ月間就労しました。グローバルな環境で英語を使った仕事の経験を積むことにより、今後のキャリアのイメージを鮮明にすることができたそうです。また、当時のアメリカはオバマ氏二期目の大統領選挙中。優秀なビジネスパーソンがオバマ陣営に関わっている様子を現地で目の当たりにして、帰国後は政治・行政に自身のスキルを活かすことも意識し始めました。そして、紗江さんは帰国後、実際に行政の世界に入る事になります。このように、どちらの海外生活も紗江さんにとって人生のターニングポイントとなった出来事でした。紗江さんが学生時代から希望していたものの1人では成しえなかった海外生活経験。結婚の強みで、夫婦であったからこそ金銭的にカバーでき、結果、人生の選択肢が増えたと振り返ります。

夫婦で家庭を経営するための「夫婦未来会議」

同棲中はそれぞれ気ままに暮らしていた2人でしたが、結婚後、たかしさんと紗江さんは「会社の経営のように、家庭をどう運営していくか」というテーマに取り組みました。2人は「夫婦未来会議」と題して5つのテーマ(キャリア、お金、家族、学び、人間関係)について月に1度話し合いの場を設けました。

家計は会計ソフトアプリで全て共有。お金の使い方の基準は「1,000円まではその場で買う、10,000円まではしっかり考える。そのうえで欲しいと思ったら買う、10,000円以上は一度夫婦で相談」などルールを設定。家事・育児も、ライフステージの変化にあわせてできるだけ柔軟に最適化できるよう相談。家事の負担がないように、家事代行も利用しました。

また、現在の家事・育児は、今は次男が小さいこともあり、長男のメイン担当は夫、次男のメイン担当は妻。家事は量をなるべく少なくする工夫を前提に、洗濯とゴミ捨ては夫、料理と掃除は妻、他はお互いの自発性に任せて適宜決めています。

ベンチャー企業で育休7ヵ月を取得。子育てを楽しくできた3つの要素

たかしさんは長男が生まれた時に7ヵ月間の育休を取りました。当時勤めていたのは社員10名ほどのベンチャー企業で、育休をとった第1号の社員でした。

7ヵ月間の長期育休を取得できた理由は、顧客に迷惑がかからないよう、自分の業務を会社全体でカバーしてもらうとともに、業務委託を活用して不足を補う体制を提案し、理解を得たことでした。また、紗江さんは当時フリーランスで働いていたため、育休制度はなかったのですが、働いていた事で長男を保育園に入れることができたそうです。

1人目の子育ては初めてのことだらけでしたが、楽しく乗り越えられたそうです。その理由を振り返り、3つの工夫した点を教えてくれました。

  1. 子育てを2人で取り組んだことにより、1人あたりの負担を少なくしたこと。例えば、部屋を分けてシフト制で睡眠をとることで、子育てをする上での体力温存が図れた。
  2. 育休中も社会とつながり続けたこと。たかしさんは育休中も時間の許す限り、これまで行っていた副業やボランティア活動を継続し、自分の時間を確保した。
  3. 夫婦ともに、育休中を理由に行動に制限をかけなかったこと。育休中に子どもを連れての海外旅行も楽しんだそうです。

2回目の子育てとなる次男の誕生の際も、たかしさんは2か月の育休を取得。新型コロナウイルス感染症の影響から、海外旅行はお預けですが、家族で近場での旅行を楽しんでいます。また、家族でよく行くのが回転寿司。今の一番の楽しみは、日々の出来事の中に、子供の成長を見ることと嬉しそうに話してくれました。

ふたりのQ&A

Q
出会いは?
A
たかしさん主催の若手社会人勉強会。講師を呼んだり、互いの仕事や生活の近況を語るという集まりだった。
Q
初デートは?
A
六本木ヒルズ52Fに夏季限定でオープンしていた水族館。当時、タワーマンションに住みたい願望がたかしさんの中で最も強かった時期。海抜250メートルの非日常の空間をデートの場所に選んだのは、若手社会人ならではの発想だったかも(笑)との事。
Q
結婚への道のりは?
A
交際して半年で同棲。同棲1周年記念日にプロポーズ
Q
家族構成は?
A
夫婦と長男、次男の4人暮らし
Q
家計と家事の分担は?
A
家計は会計ソフトで共有。現在の家事・育児は、今は次男が小さいこともあり、長男のメイン担当は夫、次男のメイン担当は妻。家事は量をなるべく少なくする工夫を前提に、洗濯とゴミ捨ては夫、料理と掃除は妻、他はお互いの自発性に任せて適宜。家事代行も利用する。
Q
休日の過ごし方・よく行く場所は?
A
午前中は夫婦どちらかが子連れで公園。もう片方は1週間でたまった家事を片付け。終わったら家族みんなでランチ開拓を兼ねて電車で出かけ、食後のお昼寝タイムはカフェでのんびりと夫婦の時間を過ごす。昼寝から起きたらスーパーやデパートで買い物して帰宅。

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