自然豊かな場所で、
仕事も子育ても穏やかに楽しむふたりTOKYO FUTARI

佐野文人さん(53歳)(仮名) 佐野愛美さん(49歳)(仮名) 長女(11歳) 長男(9歳)

暮らしをリセットするために移住を決意

 奥多摩で生活を営む佐野さんご夫妻。文人さんは飲食店を経営、愛美さんはフリーランスのグラフィックデザイナーとして活躍しています。二人の出会いのきっかけは13年前、文人さんが奥多摩に移住を決意したことにさかのぼります。
 それまで都内で音楽関係の仕事に携わっていた文人さん。友人に誘われた地域振興のための音楽イベントの打ち合わせで、初めて奥多摩を訪れることに。
 「山の奥の方まで行き、険しい大自然を目の前にして、東京にもこんなところがあるんだ!と大きな衝撃を受けました」(文人さん)
 その当時、仕事における自分の立ち位置や、日々追われるスケジュールなど、自分自身を考えることがいくつも重なり、これからの人生を見つめ直すいいタイミングだったと振り返ります。
 「奥多摩が持つ自然の力を目の前にして、今、人生を考えるチャンスがきたんだ、自分が悩んでいることを思い切って一回リセットしてみようと、移住への決意を固めていきました」
 その当時、まだ移住者は多くなく、移住希望者と地域を繋げる制度や情報が今ほど整っていませんでした。最初にイベントで奥多摩との縁を繋いでくれた友人のツテと、文人さんご自身の行動力で、自治会長や地元企業の方と関係を築きながら、生活の基盤となる住まいや仕事を整えていったそうです。

自然に魅了されて、スムーズに新たな生活に溶け込む

 文人さんを魅了した大自然は、都心で働く友人たちも気に入り、週末になると文人さんのもとを訪ねて都心から友人たちがよく遊びに来ていました。その中のひとりだったのが、愛美さん。当時、渋谷のデザイン会社で働き、都心で暮らす生活を送っていましたが、自然がある場所がもともと好きだった愛美さんがよく奥多摩に遊びに行ったことで、二人の距離が縮まっていったそうです。
 「最初は奥多摩に面白い人がいると友人に紹介されたのですが、ここでの暮らしを楽しみながら、自ら地域に入り込んで、切り開いている彼の姿に惹かれていきました」(愛美さん)
 文人さんは、価値観が近いところが結婚の決め手だったと振り返ります。
 「ちゃんとしているけれど、遊ぶ部分もわかってくれる。芯が強く、自分自身には厳しいけど、他人には優しい。そういうところが彼女の魅力です」と笑顔で話します。
 結婚を機に、愛美さんも生活拠点を奥多摩へ移しました。もともと自然がある場所やアウトドアが好きだったこと、そして文人さんのつながりで知り合った同世代の友人がすでにいたことが、抵抗なく新たな場所に馴染めた理由だったと、愛美さんは振り返ります。

恵まれた子育て環境で、気持ちも暮らしも穏やかに

 今、ご夫婦は二人の小学生のお子さんと、地域の玄関口である最寄りの駅から車で約15分、100名程が暮らす小さな地域に住まいを構えます。ここは、文人さんが13年前に初めて移住してきた想い入れのある場所です。
 「周りは高齢者が多く、全員が顔見知り。みんな子供をかわいがってくれるし、大人の目が行き届くので安心です。のびのび子育てができています」と文人さんは話します。またこの町では、子供は医療費だけでなく電車やバスが無料になったり、二人目以降は保育料を町で負担してくれたり、町ぐるみで子育てサポートに力を入れていることもあり、子育て世帯の佐野さん夫妻にとって、生活しやすい環境が整っていると話します。
 「不便なことと言えば、欲しいと思ったものがすぐに買えないくらい(笑)。でも代わりに、自然がすぐそばにあるし、人も密集していない。都心で生活していたときは気持ちの上でギスギスしてしまうことも多かったけれど、ここではいつでもおおらかな気持ちでいられます」と愛美さんは話します。だからなのか、夫婦喧嘩をすることがほとんどないそうです。
 「人が人として生きていく上で、優しい環境が整っている場所に暮らせて幸せですね」(文人さん)

ふたりのQ&A

Q
出会いは?
A
面白い人がいるとの友人の紹介で、妻が奥多摩に行ったときに初めて出会う。
Q
初デートは?
A
妻が奥多摩へ遊びに行ったときに、山にドライブデートへ。
Q
結婚への道のりは?
A
付き合ってから半年くらい経ったときに、夫の家に友人と一緒に遊びに来ていた妻が転んで骨折。日常生活をサポートするために、頻繁に当時の妻の家に通ったことで距離が縮まり、お互い結婚を意識。
Q
家族構成は?
A
小学生の子供2人と4人家族。
Q
家計と家事の分担は?
A
家事分担は特に決めず、できる方が担当。家計はすべて妻がやりくり。
Q
休日の過ごし方・よく行く場所は?
A
海や近場の山にキャンプに行くなどアウトドア派。

奥多摩町の取組

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