それぞれの得意を活かして夢に向かうふたりTOKYO FUTARI

西山和孝さん(45歳)(仮名) 理恵子さん(35歳)(仮名) 長女(2歳)

妻は明るくエネルギッシュ、夫はやさしいお兄さん的存在

 結婚しても、子どもが生まれても、得意なことを活かして協力し合い、夢に向かって挑戦する。そんな広がりのある結婚の形を教えてくれるのが、西山さん夫妻です。「妻は出会ったときから明るく、エネルギッシュな女性でした。彼女と一緒に暮らしたら、きっと刺激的な人生が送れるだろうと、なんだか未来が面白く思えたんです」と、和孝さんはプロポーズした頃を振り返ります。
 理恵子さんにとっても、和孝さんは出会った頃から頼れるお兄さん的存在でした。仕事が最優先だった理恵子さんを結婚に向かわせたのも、「どんなときも自分を支えてくれるやさしさを持っていたから」と言います。
 2人だけのときは仕事優先で外食も多く、独身時代の延長のような暮らしでした。それが大きく変わったのは、子どもが生まれてからです。理恵子さんの産休が終わり、仕事に復帰したのを機に、和孝さんは家事と育児をほぼ一手に担うように。料理や洗濯などの家事全般が理恵子さんより得意だったからです。

子どもの誕生を機に仕事と家庭での役割分担が明確に

 子どもが生まれるまで、和孝さんは家業の不動産会社を継ぎ、理恵子さんは29歳で起業した玩具会社の社長として別々に働いていました。
 長女が生まれ、預け先を探したところ、保育園の抽選にことごとく落選。ショックを受けた2人は同じように悩む共働き夫婦の育児環境を改善しようと企業型保育園の設立を決意。理恵子さんの会社が運営者になり、和孝さんが園長に就任することになったのです。
 「個人経営とはいえ、自分の会社を休眠させてまで保育園事業に専念するかどうか悩みました。でも、社会的に意義のあることですし、長女と一緒にいる時間も作れます。40歳を過ぎて新しい世界に飛び込むのも面白いと決意しました」(和孝さん)
 「産休中は、このまま仕事を辞めてもいいかなと思ったこともあります。でも、授乳期が終わったら、突然、仕事の意欲が湧いてきて。あれもこれもやりたいと夢がどんどん膨らんだんです」(理恵子さん)
 保育園事業が始まってからは、プロジェクトのリーダーは理恵子さん、現場のまとめ役は和孝さんが、家庭では和孝さんが家事や育児のリーダー、理恵子さんはサポーターを担うことになったのです。

ストレスをぶつけあっても、最後は笑顔に

 ふだんの生活をうかがいました。和孝さんは長女と一緒に帰宅し、すぐに食事の支度と洗濯をスタート。作り置きしておいたおかずを利用したり、デパ地下で惣菜を買ったりして支度時間を短縮。間に合わないときは外食することも。洗濯も昼間に干したり、取り込んだりする時間が取れないので乾燥機に任せ、掃除もこまめに片づけることで、家を整えています。
 家事サービスを頼んだこともありますが、お手伝いの人が家に来るのは昼間。その時間に家にいることが難しくなったため、今は頼んでいません。
 仕事と家事の両立でストレスがたまることは?と聞くと、「ありますよ」と笑う和孝さん。理恵子さんが甘えすぎていると感じるときは、「出したものは片づける!」と小言を言うこともあるそう。
 「私も仕事のストレスがあるので、不満をぶつけ合うことなんて、しょっちゅうです。でも、わーっと言い合っているうちに、なんだかおかしくなってきて、2人で笑っちゃうんですよね。それでケンカもおしまいなんです」(理恵子さん)
 時間が足りない分、様々なサービスを利用することも多いため、出費をどう抑えるかが今の2人の課題。貯金や保険などを含め家計は理恵子さんが管理しています。
 「自分の仕事をこなしながら、家を守ってくれている夫には本当に感謝しています」という理恵子さん。和孝さんも「夢に向かって突き進む妻を応援したい」と話してくれました。

ふたりのQ&A

Q
出会いは?
A
妻がバイト中、配っていたチラシを夫が受け取り、立ち話から夫が余っていた映画のチケットを妻に渡したことがきっかけ。
Q
初デートは?
A
妻が初対面でもらったチケットを持って映画館に現れ、一緒に観たことが初デート。
Q
結婚への道のりは?
A
長年、兄妹のようだった関係が変化し、交際へ。一度別れるが、夫41歳、妻31歳のときに交際が復活し、すぐに結婚。
Q
家族構成は?
A
長女(2歳)と3人暮らし。
Q
家計と家事の分担は?
A
家計の共同費は妻が管理。家事と育児は夫が担当。
Q
休日の過ごし方・よく行く場所は?
A
土曜日も仕事のことが多いため、日曜日に行くスーパーへの買い物が家族で過ごす大切な時間。同じ年頃の子どもを持つ友人家族と一緒に遊ぶことも多い。

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