自立した関係を保ち尊敬しあうことが夫婦円満の秘訣。TOKYO FUTARI SPECIAL

10年という月日を恋人同士として過ごし、良い関係を続けてこられた前園さんと奥様ですが、2017年の結婚を機に、おふたりの生活に変化はあったのでしょうか。インタビュー後編では、長くお付き合いをしたおふたりならではの夫婦円満の秘訣やコミュニケーション方法などを伺います。

感謝を伝えることが自立と尊敬の第一歩

お互いを尊重していることが、妻と長く良い関係を続けてこられた理由のひとつだと思っていますが、その間柄は結婚後も変わっていません。

家事に関しては、私は料理が苦手なので妻にお願いしていますが、それ以外のことはどちらが行うかは決めずに、やれるほうがやるといったスタイルをとっています。特にルールや約束事はないのですが、細かい話をするならば、私は洗濯を“こまめにしたい派”で妻は“まとめてしたい派”といったような、それぞれの習慣や好みの違いなどがあればその都度話し合いをしています。

家事の分担や生活のルールを特に決めることはせず、お互いの暮らしの中で、相手への感謝の気持ちを忘れずに、これは嫌なのかな、これは良いのかなと、お互いを思いやることによって、私の場合は、自然と1人ではなく、ふたりでのやり方に変化していると思います。

“自立した間柄として、お互いを尊重し合う”などと言うと難しく聞こえるかも知れませんが、私は相手に思いやりを持って接することと、ご飯を食べたら「美味しいね」、何かをしてもらったら「ありがとう」といったように、感謝や想いを言葉に出して伝えることこそが、精神的に自立して尊敬しあう姿であり、夫婦円満の秘訣だと思っています。

喧嘩をしたら「ティータイム」で仲直り

もちろん一緒に生活していれば喧嘩もします。仲直りの方法は、諍い(いさかい)を次の日まで持ち越さないようにすることです。

長い付き合いになれば、相手の怒るポイントや笑いのツボ、好き嫌いなども分かってきます。喧嘩した後の仲直りの方法も“これをしたらリセットできる”といったような習慣やルールが、自然と出来上がってくると思います。私の場合は、喧嘩後の“お茶や甘いもの”が“落ち着いて話し合いましょう”という仲直りのサインとなっています。

喧嘩の1時間~2時間後には、お茶を入れたり甘いモノを食べたりと、何気なく相手の気を惹き、ふたりで一服して、ヒートアップした心を落ち着かせます。それがうまくいかないときなどは、ペットがふたりの仲をリラックスさせてくれることもあります。ミニブタの“セブン”とミックス犬“アンジェロ”を飼っているのですが、私が“セブン”のフリをして、「さっきのパパ(前園さん)は、ちょっと言いすぎじゃあないですかね~」などと話しかけて、うまく妻に謝ったりします(笑)。

妻へのプレゼントは「モノより時間」

記念日やイベントは大切だと思います。ただ、恋人であれ夫婦であれ10年以上も一緒にいると、プレゼントを選ぶのにも相手の欲しい物はだいたい予想がついてきて新鮮味がなくなるし、だんだんとネタ切れにもなる。「誕生日に欲しいものある?」などと聞いても「別に欲しいモノなんてない」みたいになってきます(笑)。

なので、最近は、プレゼントはモノではなく、旅行に出かけるなど、ふたりの時間をより有意義に楽しめる方向にシフトしつつあります。一緒の時間を大切にするようになるのも、長い付き合いならではかも知れません。状況が落ち着いたら、海外旅行やペットを連れての国内旅行を楽しみたいです。私は、楽しいことや好きな時間を妻と共有することで、2倍も3倍も愉快で幸せな気分になれます。これから先も、今と変わらず家族みんなで楽しく、笑顔あふれる時間を過ごせていけたら良いなと思っています。

前園 真聖(まえぞの まさきよ)
1973年10月29日生まれ、鹿児島県出身。1992年横浜フリューゲルスに入団。1996年、アトランタオリンピックでは、「マイアミの奇跡」などをキャプテンとして演出し、広く注目される事となる。2005年5月に現役引退を表明。その後は解説者としてメディア等で活動しながら、全国でサッカー教室を開催し、子供たちにサッカーの楽しさを教える活動をしている。

前編はこちら:10年来のお付き合いから結婚の秘訣とは・・・ >