10年来のお付き合いからの結婚の秘訣とは・・・TOKYO FUTARI SPECIAL

ゼクシィ結婚トレンド調査 (2020年)よると、日本における結婚までの平均交際期間は3.1年間となっています。交際期間が長くなればなるほど “一緒にいるために結婚する”という考えは成立しにくくなり、むしろ出会って間もないカップルよりもその一歩を踏み出すタイミングに迷うものなのかも知れません。

前園真聖さんといえば2017年の結婚当時、出会ってから10年目の節目婚が話題となりました。10年という月日を恋人として過ごし、良い関係を続けてこられた秘訣はどこにあるのでしょうか。今回は、おふたりが結婚に至った経緯やプロポーズのタイミング、そして結婚後の心境の変化などを伺いました。

タイミングを逃してしまったプロポーズ…
しかしそれが結婚の決め手に⁉

妻との出会いは、知人の紹介でご飯を一緒に食べたのが始まりです。初めて会ったときの印象は、明るく社交的な女性だなと思いました。会話をする中で、フィーリングが合うというか、会話のテンポやタイミングなどが心地良く感じました。お互いに海外生活の経験があり、その話題で盛り上がるなど価値観が一致し意気投合しました。

結婚のタイミングですが、実は、付き合い始めてから4~5年くらいの時期にプロポーズしようと思っていたのですが、私の仕事やプライベートが原因でタイミングを逃してしまい、気が付いたら10年経ってしまいました。結婚する意思はお互いにありましたが、妻は私がプロポーズするのを待っていてくれました。勝手な言い方かも知れませんが、もし、どこかで結婚を迫られていたら、結婚に対するお互いのタイミングが合わず、二人の関係は長く続かなかったかも知れません。私にとっては、自分自身が起こしたトラブルで、私を支えて下さっていた周囲の信頼を裏切るようなことになり、心身共に一番つらかった時期に傍らにいてくれたことが、妻への大きな信頼に繋がりました。決して許されることではありませんが、その期間がふたりの絆を強くし、結婚への一歩を踏み出すきっかけになったと思います。

恋人として10年続いた理由は「自立と信頼」

プロポーズは、現役選手として最後にプレーした土地として、思い入れがある韓国です。2泊3日の旅行中に、特別な演出はなく手をつないで街を歩いている時に、ごく自然な感じで「結婚してください」と伝えました。

10年間恋人として一緒にいられた理由は、お互いに束縛しあわなかったからではないでしょうか。お互いを自立した存在だと認め合い、良い距離感を保つというか、そのスタンスは基本的に結婚後も変わっていません。

とはいえ、自立した二人だからこそ、円満な関係を保つための最低限のルールのようなものはあります。例えば、その日のスケジュールや帰宅時間は必ず伝えるし、仕事で地方に行くことがあれば、電話をして状況を報告します。今、何処にいるのか知らせて、相手に余計な心配をさせないようにしています。

ですが、それ以外の決め事や約束事は、交際時も特に無かったですし、結婚した今もありません。お互いに束縛しあって窮屈な気持ちになったら、生活を自由に楽しめないし、面白くなくなってしまうと思うので。

結婚という選択肢以外は無いと思っていた

結婚をはじめとして、様々な価値観が多様化し、人生をどう生きるかという選択肢も広がっていると思います。

ですが、私は妻と出会う前から、いずれは誰かと結婚したいと思っていましたし、妻と結婚しないという選択肢は考えていませんでした。結果として、私がプロポーズしようと決めたのが10年目であり、そんな私の気持ちにそっと寄りそってくれた妻に感謝しています。(後半へ続く)

■インタビュー後半では結婚後の生活の変化や、喧嘩をしたときの仲直りの方法など夫婦円満の秘訣を伺いました。長くお付き合いをしたおふたりならではの関係が垣間見えてくるエピソードが登場します。

後編はこちら:自立した関係を保ち尊敬しあうことが夫婦円満の秘訣。 >

前園 真聖(まえぞの まさきよ)
1973年10月29日生まれ、鹿児島県出身。1992年横浜フリューゲルスに入団。1996年、アトランタオリンピックでは、「マイアミの奇跡」などをキャプテンとして演出し、広く注目される事となる。2005年5月に現役引退を表明。その後は解説者としてメディア等で活動しながら、全国でサッカー教室を開催し、子供たちにサッカーの楽しさを教える活動をしている。