家庭訪問型プログラム
レポート

家庭訪問型プログラムは、若者が結婚、出産・子育てなどのライフイベントを具体的にイメージし、これからのライフプランを考える際のヒントにしてもらうため、受け入れ家庭を訪問し、ご家庭の1日を体験するプログラムです。大学で計6回実施したライフデザイン・セミナーの参加者の中から希望する人を対象に実施しました。

今回、大学2年生の岡田さん(仮名)と鈴木さん(仮名)が、14歳と4歳のお子さんのいる、Aさんのお宅に訪問した様子をレポートします。

受け入れていただいたご家庭

東京都在住のAさんは、家族4人暮らし。夫は転職を2度経験し、現在はSEとして会社に勤務。妻は、大学卒業後、数年働いた後にアメリカで半年間のインターンシップに参加し、現在は外資系企業に派遣社員として勤める。お子さんは14歳と4歳のお2人。

当日の様子・流れ

11:00
お父さんと4歳のお子さんと駅で待ち合わせ、お昼ご飯の材料を買いに、スーパーに向かいました。スーパーで、買い物中にお子さんが先に走ってしまったり、お菓子を買いたいとお父さんにおねだりする様子を見た岡田さんは「1人の時とは違い、お子さんのことを気にしながら買い物をしなければいけないんだ。子どもを持つと自分のことだけでなく、子どものことも考えて状況を判断し、行動することが多いのだな」と感じたそうです。

12:00
家に帰り、家族の皆さんに自己紹介をした後、お子さんと絵を描いたり、人形で遊びました。岡田さんは「自分には弟や妹がいないこともあり、小さい子どもと接する機会がほとんどないので、新鮮な体験でした」と言います。

13:00
その後、昼食をいただきました。お子さんが嫌いなものを残しているときに、お父さんが「りさちゃん(仮名)が選んだリボンの形のマカロニだから食べよう」と声をかけ、無理やり食べさせるのではなく、自分で食べられるよう促していたことが印象的だったそうです。

15:00
その後、 将来、海外で仕事をすることを考えている岡田さんのため、Aさんのご友人で、シンガポール赴任中のご家庭とTV電話でお話しする機会を設けてくださいました。海外での生活や仕事について様々な質問をすることができ、これからするべきことや考えておく必要があることなどがより具体的になりました。

TV電話で海外赴任中のご友人家族とお話ししている様子

16:00
お子さんが昼寝をしている間に、岡田さん、鈴木さんとご夫婦で、子どもが生まれてからの生活の変化や学生時代に立てていた将来設計についてお話をしました。

17:30
集合写真を撮り、駅で解散しました。

4歳のお子さんと遊ぶ岡田さんと鈴木さん

違いを否定せずに認め合う

Aさんのお宅では、家事は夫婦間で得意なことを担当するようにしているそうです。そこで、分担方法などはどのように決めているのか、その際に喧嘩になったりしないのかと岡田さんが質問したところ、「やり方が違うと思うことはあるが、お互い育ってきた環境が違うから、やり方や考え方が違って当たり前だと思っている。違ったとしても、どちらかが間違っているということではないので、相手の考えを認め合っているので喧嘩にはならない」と話されました。

子どもを「考えを持った一人の人間」として尊重する

鈴木さんは、家庭訪問型プログラムに参加するまでは「どんな子どもに育てるのかをいつ決めるべきか、習い事などは何をさせるのが良いか」などと親主体で子どものことを考えていたそうです。しかし、お母さんは、「習い事などは、状況に応じて子どもが好きなことをさせている。親としては、健康で自分で判断できる子になって欲しいという思いはあるが、どう生きるかは子どもが考えることだから、一人の人間として意志を尊重している」と話しました。その話を聞き、鈴木さんは「子どもは親が育てるという意識が強かったけれども、子どもを見守る姿勢も大事にしたい」と思うようになったそうです。

プログラムの終わりに、Aさんご家族と記念撮影

岡田さんの感想「いつでも相談できる人生の先輩ができた」

最も印象的だったのは、「子どもが生まれると価値観も考え方も変わる」とお母さんがおっしゃっていたことです。世の中には子育ては大変だというイメージがあるけれど、お話を聞き、パートナーと協力してAさんのような素敵なご家庭を築きたいと思いました。今後もAさんとの繋がりを大切にしていきたいです。

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